Leica M11 Monochrome レビュー|モノクロ専用機の魅力と実用性

カメラレビュー

Leica M11 Monochrome

モノクロ専用機というカメラ、皆さんはどう思いますか。カラーで撮れないカメラを買う人なんているの?と思う方もいるかもしれませんが、自分はこれまで何台かモノクロ専用機や、モノクロに強いカメラを使ってきました。

最初に出会ったのはライカの初代Mモノクロームで、その描写の独特さに衝撃を受けたのが始まりです。その後もライカ・富士フイルム・シグマのモノクロ画質を比較したり、フォビオンセンサーを搭載したSigma DP2 Merrillを使ってみたりと、モノクロ・高解像系のカメラをいろいろ試してきました。

そんな経緯もあってM11 Monochromeが発売されたときから気になっていたのですが、しばらく使う機会があったので感想などを書いてみたいと思います。

M11 Monochromeとは

ライカMシステムのデジタルカメラで、カラーフィルターを持たないモノクロ専用センサーを搭載したカメラです。センサーはフルサイズ60MP、ISO感度は125〜200000(拡張時)まで対応しています。重量は約530gで防塵防滴もあり。内蔵ストレージ256GB+SDカードスロットも搭載されています。

ボディはブラックのみで、例のライカレッドバッジも付いていません。その分すっきりとした見た目で、街中に溶け込みやすいのも個人的には気に入っています。

項目仕様
センサー35mmフルサイズ 裏面照射型(BSI)CMOSセンサー(モノクロ専用)
有効画素数約6,000万画素
画像処理エンジンMaestro III
ISO感度ISO 125〜200,000
記録サイズ60MP / 36MP / 18MP(3段階選択)
本体重量約542g(バッテリー込)
内蔵ストレージ256GB+SD/SDHC/SDXCスロット(UHS-II推奨)
バッテリーBP-SCL7(CIPA基準 約700枚 / ライカ独自基準 最大約1,700枚)
充電USB-C直接充電 / 専用チャージャー
接続Wi-Fi / Bluetooth(Leica FOTOS対応)
背面モニタータッチパネル対応LCD(サファイアガラス保護)
発売・価格2023年4月22日発売 / 1,386,000円(税込)

モノクロ専用センサーについて

普通のカメラのセンサーには各画素の前にRGB(赤・緑・青)のカラーフィルターがついていて、これによってカラー写真が撮れる仕組みになっています。

M11 Monochromeにはそのカラーフィルターがありません。

全ての光をそのまま受け取れるので、同じISOでもノイズが少なく解像感のある描写になります。また、カラーフィルターを通さない分、センサーに届く光量が増えるので実効感度的にも有利です。

カラー写真をモノクロ変換するのとは全然違う写真になるのがポイントで、特に高ISO時の粒子感がフィルムライクな雰囲気になってとても好きです。以前使った初代Mモノクロームの頃からこの傾向はありましたが、M11世代になってセンサーが60MPになりさらに磨きがかかった印象です。

フェリー通路 f/2, 1/250s, ISO 2000

フェリーの通路。暗い場所でのISO 2000でこれくらいの質感が出せます。

港のクレーン f/11, 1/250s, ISO 800

港のクレーン。f/11まで絞ると金属の質感と硬さがよく出る感じがしました。モノクロで撮ると色に頼らず質感だけで見せる写真になるので、工業系の被写体とは相性がいいなと思います。

デザインと操作感

M11 Monochromeのボディはブラック一色で、トップカバーにはアルミニウムが採用されています。前世代(真鍮製)より約120g軽くなり、バッテリー込みで約542gとフィルムのM型ライカに近い重さになりました。長時間の撮り歩きで、この差は思ったより効いてきます。

背面の液晶保護にはサファイアガラスが使われています。通常のガラスより硬く傷がつきにくいので、カバンの中でキーと擦れても安心です。表面はマットブラックペイント仕上げで、使い込むほど道具らしい雰囲気が出てくる質感です。前面の「Leica」赤丸バッジも省略されており、街中でも目立ちにくくなっています。

操作面では、ファンクションボタンに好みの機能を割り当てられるカスタマイズ性があり、よく使う設定を最大6パターンのユーザープロファイルとして保存できます。スナップ用・ポートレート用・夜間撮影用といった形でシーン別に一瞬で切り替えられるので、実際の撮影現場でとても役立ちます。

カラー機の「ホワイトバランス」に相当する設定として、Monochromeには「調色(トーニング)」機能があります。セピア調や冷色系のトーンを画像に加えられる機能で、通常はニュートラルのまま使いますが、出力の雰囲気を変えたいときに役立ちます。

256GBの内蔵ストレージ

これが個人的にとても助かりました。

旅行に行くときにSDカードを入れ忘れてしまうことが何度かあって…(笑) 以前、離島に行った際に「あれ、SDカード入れてない?」と気づいたことがありまして、それ以来SDカードの確認がちょっとしたストレスになっていました。

M11 Monochromeは内蔵ストレージが256GBあるので、DNG形式でも余裕で撮れます。実際に数日間の旅行で外付けSDカードなしで使ってみましたが、まったく問題なかったです。SDカードも追加で使えるので長期旅行でも全然問題ないですし、精神的にもすごく楽になりました。

USB-Cで充電できる

これまでのライカMシリーズは底蓋を外してバッテリーを取り出し、専用の充電器で充電するスタイルでした。この「底蓋を外す」という工程、ライカらしい儀式感みたいなものがあってそれはそれで嫌いじゃなかったのですが…

M11 Monochromeはボディ側面のUSB-Cポートから充電できるので、ケーブル1本で済みます。旅行先でMacBookと同じケーブルで充電できるのは地味に便利で、荷物も減ります。モバイルバッテリーからも充電できるので、外撮りの途中でもこっそり補充できたりして助かります。

ただ、底蓋を外す「あの感じ」がなくなったのは少し寂しいかなとも思います。ライカっぽさが薄れたというか……まあ、利便性のほうが大事なのでいいんですが(笑)

バッテリー交換もしやすいので、予備バッテリーを持っていけば丸一日撮り続けることも問題なかったです。

ライカM11 モノクローム

ライカMレンズとの互換性

M11 Monochromeはライカのバヨネットマウントを採用しており、Mシリーズ用レンズであれば基本的に装着できます。レンズのバヨネット部にある6ビットコードを自動読み取りしてレンズタイプを識別し、周辺光量落ちの補正やExifデータへの自動書き込みが行われます。コードのない旧式レンズも、メニューから手動で登録可能です。

ただし装着できないレンズもあるので注意が必要です。Hologon 15mm f/8、近接機能付きのSummicron 50mm f/2、1954〜1968年製のElmar 90mm f/4(沈胴式)などは非対応です。沈胴式レンズを使う際は、必ず鏡筒を引き出した状態で装着してください。沈胴したまま装着するとカメラ内部を傷める恐れがあります。

作例

夜のアーケード f/16, 1/180s, ISO 16000

夜のアーケード。ISO 16000でもフィルムっぽい粒子感が出て、かえって雰囲気がいい感じになりました。モノクロだと夜の人工光がまた独特の表情になりますね。

熊本駅そばの橋 f/11, 1/2500s, ISO 125

熊本駅近くの橋。晴天下でのISO 125、f/11。こういう条件だとシャープな描写になり、構造物の細部まできちんと出てくれます。

屋外ポートレート

屋外ポートレート。自然光のみで撮影。モノクロだと肌の質感や光の当たり方が正直に出るので、撮るときに光の向きをいつもより意識するようになりました。

まとめ

モノクロ専用機って使い続けると面白いなと思います。色に頼れない分、光と影の使い方を自然と考えるようになるというか。初代Mモノクロームから数えると随分進化したなという印象で、60MPのセンサーになって細部の描写力が格段に上がっています。

64GBの内蔵ストレージやUSB-C充電など実用面での進化もあって、以前のライカMシリーズに感じていた小さなストレスが解消されているのが良かったです。モノクロの世界が気になっている方はぜひ一度試してみてください。

購入・参考リンク

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